【8】独立開業 | (4)会社設立登記

独立開業に関する以下のQ&Aにお答えしています。
(1)事業計画立案 (2)資金調達 (3)助成金活用 (4)会社設立登記 (5)税務申告 (6)税務調査

(4)会社設立登記を表示しています。

  • 【Q1】なぜ、会社を設立するにあたって登記する必要があるのでしょうか。

    【A】会社を設立するにあたって登記をする必要があるのかというご質問ですが、会社法第911条に、会社の登記に関する記述があります。その第1項に「.株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。」とあり、さらに第3項には、設立の目的、商号、本店及び支店の所在場所、代表取締役の氏名および住所など、30項目にわたって記載内容することが記されています。また、会社登記をする目的として、登記された会社がどのような会社なのか、一般に知らせる意味も含まれています。このような法的根拠があることから、会社登記が必要というわけです。なお、登録までの期間について明記されており、登録は一定期間内に行うようになっていますが、この期間を過ぎてしまった場合は、罰金を支払えば登記することができます。

  • 【Q2】登記をするにあたって、どのような手続きをすればいいのでしょうか。

    【A】まず、同じ会社名がないかどうかを調べます。同じ住所に同じ会社名があると、登記できないことになっているからです。次に、株主(出資者)と取締役それぞれ個人の印鑑証明書を用意します。そして、会社の規約となる定款の作成をします。この定款は、事業の目的、資本金額、取締役の人数と任期、事業年度といった重要な項目が記載されているものです。定款ができたら、会社の発起人全員の契印をし、公証役場で公証人のもと定款認証してもらいます。これによって、定款が法律上適法だということを証明してもらうのです。同一商号がないかの確認ができていると、今度は会社の実印(法人印鑑)を購入します。購入した印鑑で、定款などに押印します。その後、資本金の払い込みを行います。この時点ではまだ会社の口座はありませんから、発起人の個人名義の口座に預入れします。払い込み後に通帳記帳し、そのコピーを使って払込証明書を作成します。これらの書類のほか、登記に必要な書類を整理し、いよいよ法務局に登記申請します。この登記申請した日付が、会社の設立日になります。特に問題がなければ、申請から10日前後で登記は完了します。

  • 【Q3】登記に際して用意する書類は何がありますか。

    【A】会社登記をするにあたっては、以下のような書類が必要になります。登記申請書/資本金の額の計上に関する証明書/定款(公証人に認証されたもの)/払込証明書/就任承諾書/取締役全員の印鑑証明書(各1通)/発起人会議事録/別添CDR(登記すべき事項)/印鑑届書/印鑑カード交付申請書/印鑑証明書及び登記事項証明書交付申請書/書類返信依頼と不備があった場合の連絡先(電話番号)/「書留」と赤字で記載した660円貼付の返信用封筒/収入印紙/登記印紙。これらの書類に漏れがあると、会社登記はできません。書類の不備がないように、確認をしたうえで登記することが必要です。

  • 【Q4】会社登記にかかる費用はいくらぐらいでしょうか。また、登記後にも費用はかかるのでしょうか。

    【A】登記にかかる費用ですが、公証役場での印紙代や、登記所における登録免許税や登記簿謄本代などに加え、印鑑の制作費用など諸々を含めると27万前後になるようです。登記の登録免許税に15万円かかるほかは、すべて定款に関する収入印紙代や、定款の認証手数料など、定款に関する費用がかかることがわかります。最近では、オンラインによる登記もできるようになりました。ただし、オンラインは専用ソフトを使うことから登録までに時間がかかるようです。また、登記申請にあたっては、郵送も可能です。本店の所在地のある法務局宛てに登記申請書類を郵送すれば、それで大丈夫です。登記後にかかる費用があるとすれば、銀行口座の開設や開業の届け出等をするために、登記事項証明書や印鑑証明書などを取得するための費用が必要になるでしょう。会社登記について専門家にお願いしたい場合には、登記申請にかかる手数料が発生しますが、これは上記と別途になりますので注意してください。

  • 【Q5】登記書類などを作成する場合、登記申請する場合、注意すべきことはありますか。

    【A】法務省の「商業・法人登記申請」で掲載されている「登録申請手続きについて(要領)」に、詳しく書かれています。ポイントをいいますと、申請書類を作成する場合は、横書きであること、数字はアラビア数字もしくは改変困難な文字を使用すること、文字修正は修正前の文字が見えるように二重線を引きそこに押印すること、申請書に用いる用紙は日本工業規格A 列4番であることなど、細かい点まで注意書きされています。登記申請したものの、書類に不備があった場合は、法務局の登記官から電話で指示がきます。窓口で訂正できるレベルであれば、申請手続きの期間内に窓口へ行き、訂正の手続きをします。訂正の度合いが多いようならば、一度、登記申請の取り下げがなされます。その場合は、訂正をし、確認のうえ、再度、登記申請を行うことになります。時間やコストの問題がありますので、なるべく訂正がないようにしっかりと確認をしたうえで申請するようにしましょう。