【4】保険有効活用 | (3)争族対策

保険有効活用に関する以下のQ&Aにお答えしています。
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(3)争族対策の質問を表示しています。

  • 【Q1】遺産分割などをめぐって争いが起こることがあります。なぜ起こるのでしょうか。

    【A】相続が争族になる大きな理由は、遺産分割をめぐる問題がからむからだといわれます。とくに相続する遺産額が多額になればなるほど、相続する財産を巡る問題が顕著になるともいわれます。遺言書などがあれば、亡くなった人の遺志がわかりますので、遺産分割協議の際には有効に働くかもしれませんが、遺言書がない場合などは、相続を拒否しない限り、相続人は法定相続分にのっとって遺産分割されることになります。ところが、家庭の事情によっては、法定相続に基づいて行われた場合に、不利益を被る相続人も出ないとは限りません。こうした相続人同士の争いが目に見えるのが、相続問題なのです。そこで、相続が争族にならないためには、被相続人が事前に相続財産の整理をしておいたり、生前贈与等によって少しでも遺産分けをしておくなど、相続問題が深刻にならないための措置を講じておくことが求められます。保険の活用もまた、そうした相続問題を軽減するための手段として、考えられます。

  • 【Q2】争族対策として、保険を活用するということを訊きました。どのようなことでしょうか。

    【A】亡くなった方(被相続人)に資産等があると、遺された親族等が相続することになります。このとき、一定の金額を超えますと、相続した資産等に相続税が課税されることになります。ここでもめることが多いのは、相続人が遺産をどれだけ相続できるかということです。特に遺産が多ければ多いほど、争いの火種になることはありえます。相続が争族と言われるのも、そうしたところからきています。では、争族にならないために何かいい手がないのかどうかというと、その一つの方法としてあげられるのは保険商品を活用することにあります。相続が発生してしまうと、被相続人名義の預金口座などもすべて取引が中止となります。たとえば葬儀費用など何か現金を用立てなくてはならない場合でも、預金から現金を引き出せませんので、使えません。しかし被相続人が受取人を相続人として保険金をかけていた場合、被相続人の死亡後に相続人に保険金が入ることになります。預金や現金など、通常の資産は法定相続人の間で争われる可能性が出てきますが、保険金については受取人を選べるというメリットがあります。保険を上手に活用することで、争族問題にならないような施策を講じることもできるといえます。

  • 【Q3】死亡保険金には相続税非課税枠があるとききました。どのようなことでしょうか。

    【A】生命保険は現金や預金、不動産などの資産と同じく、税対象の資産(みなし相続財産)となりますが、死亡保険金には特別に非課税枠が設けられています。ここで簡単な例を紹介しましょう。Aさんが死亡し、Aさんの奥さんと子供3人が相続人だったとします。保険金の非課税枠の計算は「500万円×法定相続人の数」なので、「500万円×4人=2000万円」となります。つまり、相続人全員で2000万円までは非課税枠が広がるというわけです。もし被相続人の総資産が1億円だったとしますと、相続人が4名ですので、基礎控除額は「5000万円+(1000万円×4)=9000万円」となります。つまり、総資産1億円から基礎控除額9000万円を差し引いた1000万円について相続税の課税対象になります。もしここでAさんに死亡保険金があった場合、2000万円までは非課税枠がありますから、差し引くと△1000万円となり、課税される相続税がなくなるというわけです。保険の非課税枠を上手に活用すると、節税の効果がえられるということになります。

  • 【Q4】争族にならないために、ある特定の親族に財産を個別で残す方法として、保険を活用することは可能でしょうか。

    【A】そもそも争族問題に発展する理由には、法定相続人同士の仲が悪く遺産をどう分割するかの話合いができそうもなかったり、遺言の内容が現実とかけ離れていたり、といった状況においてでしょう。相続財産はすべて調べたうえで遺産分割の話合いがなされますので、当然にある特定の親族に財産を保険というかたちで残すとなると、それはそれで争いの火種を作ってしまうことにならないとも限りません。ただ、考え方として、たとえばある経営者が事業承継の問題が生じることを懸念して、後継者に保険というかたちで資産を残すという方法はあります。その際、保険の名義人は被保険者(被相続人)ではなく、後継者名義であればそれは可能でしょう。結局、保険というかたちで残したとしても、中途解約をしなければ現金化できませんし、被保険者が死亡しなければ保険金は入ってきません。また、保険を中途解約しますと一時所得とみなされて課税されます。保険の活用はできますが、どのようなかたちが相続人によいのか、十分に検討をしてはいかがでしょうか。