【4】保険有効活用 | (2)適正保険診断
保険有効活用に関する以下のQ&Aにお答えしています。
(1)リスク分析 (2)適正保険診断 (3)争族対策 (4)安定経営対策 (5)税務申告 (6)節税対策
(2)適正保険診断の質問を表示しています。
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【Q1】適正保険診断とはなんですか。
【A】適正保険診断とは、ご自分が加入している保険商品の内容が必要か否か、金額などの負担はどうなのかなど、今、必要な条件に最適かどうかを判断するための見直し診断のことをいいます。独身時代に加入した定期保険だけれども、結婚して子供ができてから、保険料の負担が重くなっている、という方も多いことでしょう。独身の頃は自分のことだけなので、多少高額でも掛けることはできたと思います。しかし、結婚されて子供さんがいらっしゃる家庭ですと、保険料だけでも相当な負担となります。確かに既存の保険をかけ続けると将来的に大きな保証がえらえますし、資産になるのかもしれませんが、現在進行形で考えると現実的ではないという方も多いと思います。そこで、現在加入している保険商品を見直し、現在の状況に応じた適切な保険商品に変更することで、保険内容は変えずに、保険料の負担を軽減するというものです。この適正保険診断を受けることによって、無駄なく、無理なく保険が継続できることから、最近では色々なところで窓口が増えているようです。
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【Q2】似たような保険商品をいくつもかけている場合、見直したほうがいいのでしょうか。
【A】経営者の方ですと、お付き合いなどもあって、すすめるがままに保険に加入した、という方も少なからずいらっしゃることでしょう。気づくと、いくつもの保険に加入している。しかし、一つ一つの保険商品内容を把握しているかというと、実際にはそうではないという方も多いのではないでしょうか。まず、保険商品の適正保険診断をするには、加入している保険商品の内容を把握することが必要です。保険内容を十分確認し、ご自分の希望にそったものなのかどうか、それを知ることが求められます。実際に保険商品の内容を調べるといっても、保険商品に精通したプロじゃなければわからない記述内容も多々出てきます。とくに注意を要するのは、既存のほうが新規商品よりも優れているにもかかわらず、ご自分の判断で解約してしまった、という場合が意外に多いことです。かえって損をしてしまう可能性もありますから、この判断は、保険に精通した専門家でなければ、なかなか難しいものです。もし、保険商品の見直しをしようとお考えでしたら、保険会社の営業マンか、あるいは保険の専門家に一度ご相談してみてください。
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【Q3】企業経営者です。節税に効果的だからといって保険を増やしてきました。このままもっていたほうがいいのでしょうか。
【A】法人にとって、節税効果を得られるということで保険に加入しているケースをよくみかけます。資金的に余裕があるのでしたら、毎月多額の保険料を支払うことになりますが、もっていても損することはないと思います。たしかに、保険商品を多くかけていれば、手厚い保証は得られるでしょうし、損金算入による節税効果も期待できると思います。ですが、よく考えてみてください。節税効果を期待できるからと言って、毎月多額の保険料を支払うことが、果たしてメリットあるのでしょうか。まず見直してほしいのは、本当にもっている保険は必要なのかどうかということです。たとえば契約の主体が経営者個人なのか、会社なのかによっても、保険を生かす方法が違ってきます。よくあるのは、節税だといって終身保険に加入しているケースです。終身保険や定期付き終身保険は、保険受取人が法人の場合、損金に算入されず、すべて資産計上になります。また、貯蓄性が高い養老保険なども、保険金の受取人が法人か、それとも被保険者の遺族かで、経理処理が異なってきます。そもそも、何の目的で保険に加入しているのか、もう一度見直したほうが得策といえましょう。
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【Q4】60代の経営者です。現在、終身保険(個人)しか加入していませんが、節税の必要もありませんし、新たな保険加入も考えていません。見直しの必要はあるのでしょうか。
【A】60代の経営者の方で、個人で終身保険に加入しているだけとのことですが、現状では特に何事もなく、事業も順調のようなので、必要性を感じなくても当然かもしれません。 しかし、順調なときだからこそ、将来をみすえた資金活用をすべきだと思います。一番懸念することは、もし万が一のことが起きた場合、あなたのご家族や会社はどうなってしまうのか、ということです。会社が順調ならばなおのこと、従業員や取引先などのことを考え、今後起こりうるであろう不測の事態に対処するための備えをするべきではないでしょうか。現在加入の終身保険は、個人で加入しているとのことなので、もし個人に何かあったとしても、ご家族の最低限の保障はしてくれます。しかし、会社はどうなるでしょうか。経営者に万が一のことがあっても、会社に対する補償は何もありません。節税の必要はないということなので、せめて保険受取人を法人とした終身保険に加入するなどは必要ではないでしょうか。あるいは法人名義の定期保険などに加入し、保険受取人を法人にしておけば、損金算入扱いとなり、税負担も軽減できます。60代であれば、これから後継者問題なども起こるはずです。今だからこそ保険の見直しをすべきではないでしょうか。
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【Q5】保険の種類も色々あると思います。目的にあった主な商品内容について教えてください。
【A】保険商品といっても生命保険や損害保険、がん保険といった特定の疾病に対応したものなど多様です。保険会社の商品ラインアップをみても、メリットはそれぞれありますが、基本的な保険内容についてはだいたい似たような内容といえるでしょう。さて、保険を活用する目的ですが、企業にとってもっとも多いのは節税でしょう。節税を目的するならば、長期平準定期保険や逓増定期保険などがあげられます。保険料が高額に設定することが可能なことから、節税効果も高くなることがあります。役員退職金や役員死亡保険金など、万が一のことを考えれば、定期保険や定期付き終身保険などは活用しやすいといえます。会社と従業員のことを考えれば、養老保険などが活用しやすいといえましょう。事業承継による資金の枯渇を防ぐということでは、終身保険などがあります。一生涯の保障をしつつ、万が一何かあっても中途解約をすることで解約返戻金が得られることから、資金創出の手段ともなっています。中小企業であれば、こうした民間の保険もいいですが、中小企業倒産防止共済などの公的保険も活用できるといえます。本来の目的とは異なるかもしれませんが、年額最高で240万円の保険料を損金に全額算入できるメリットもありますし、40か月以上の加入期間があれば解約返戻率が100%となっています。このように、節税効果だけではなく、保険商品によってはさまざまな活用法があることをおぼえておくとよいでしょう。