【4】保険有効活用 | (4)安定経営対策
保険有効活用に関する以下のQ&Aにお答えしています。
(1)リスク分析 (2)適正保険診断 (3)争族対策 (4)安定経営対策 (5)税務申告 (6)節税対策
(4)安定経営対策の質問を表示しています。
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【Q1】企業にとって保険というと、節税手段や万が一の備え、というイメージしかありません。ほかに何かあるのでしょうか。
【A】企業にとって保険を活用するということは、節税のほかに役員や従業員の万が一を考えてのことであることはご指摘のとおりです。保険の効果的な活用法をもう少し広い視野でみますと、企業経営にとっては資金繰りの手段であったり、含み資産を形成する資本になったりと、経営にも大きな影響を与えるものです。さらにいえば、企業にかかるリスクに対処するといったリスク対策という側面もあります。たとえば、天災等によって工場や社屋が焼失し、現金などもそのときに失ってしまったとしましょう。再建に現金が必要になるわけですが、もし、手元にあった現金がすべてだったとしたら、再建など到底のぞむべくもありません。現金が必要なときに現金がない、ということは、事業すらできないわけです。ところが、保険に入っておくと、たとえ中途解約をしたとしても、手元に現金を動かすことができます。極端な例と思われるかもしれませんが、保険に加入していたことで事業を復活させたとする事例はあるのです。あくまでも万が一ですので、起きないかもしれませんが、究極のリスク対応策と位置付ければよいように思います。
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【Q2】中小企業の経営者です。企業にとってもっとも大きなリスクに何がありますでしょうか。
【A】中小企業にとってもっとも大きなリスクは、経営者の突然の死亡などでしょう。保険商品は、生命にかかわることや、危難がおそいかかってきたときなど、万が一の時を考えて補完するためのものという考え方は一般的です。企業経営者にとってもそれは同じだと思いますが、保険商品をもっと知っておくと、経営にとっても役立てることができるものです。もっとも一般的なのは、死亡時における金銭的な補完でしょう。ある日突然、経営者にもしものことがあったら、会社や従業員などはどうすればいいのか、悩むはずです。経営者が亡くなったとしても、事業は存続するでしょうし、従業員も働き続けるしかありません。しかし、経営者が亡くなったことで、金銭的なトラブルが発生したり、債務による取引停止になるなど、不測の事態が起こってしまっては、元も子もありません。こうした不測の事態を考えて、経営者は死亡時に対する保険をかけておくことで、経営上に支障が出ないようにしておく必要があります。自分の生命も大事ですが、もし経営者の不測の事態が生じたときに会社や従業員に支障が出ないようにするための手段として、保険商品は恰好のアイテムといえるかもしれません。
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【Q3】保険に入るよりも、運転資金や設備資金に充てたほうが実益は得られると思いますが、どうなのでしょうか。
【A】保険は万が一のことを想定して入るもの、というのが一般的な認識としてあります。高額な保障をつけたい、色々な特約をつけたいなど、さまざまな条件を加えていけば、当然に毎月かかる保険料もそれ相応に高額となります。将来も大事ですが、今は目先のほうがもっと大事、という経営者もたくさんいることでしょう。まだ元気だし、保険料を払うよりも、もっと事業に直接かかわるところで資金を充当したい。そう考える経営者がいることも、もちろんよく理解できます。しかし、保険商品の特性をよく考えてみてください。保険商品は、毎月の掛け金が損益となること、掛けている間だけでなく、満期後は満期保険金が受け取れること、掛けている間の保障がなされることなど、保険商品特有のメリットもあるのです。ご質問のように、確かに実益を生み出すということはないかもしれませんが、会社経営にとって決してマイナスになることがないのが、保険商品といえるかもしれません。見えない実益を生み出す。それが保険商品の特徴ですから、目先の実益だけでなく、会社全体の利益を考えた場合、保険商品を活用する効果はあるといえるでしょう。
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【Q4】保険のかけすぎで毎月の固定費が相当かかっており、経営に影響している。もうすべて解約したほうがいいのだろうか。
【A】経営者の方のなかには、知人や取引先からの紹介などで、多数の保険に加入している方も多いとききます。個人でかけている方もいれば、会社名で掛けている場合もあるでしょう。しかし付き合いで加入してしまい、ふと気づくと不必要な保険にも入っているということもあります。ご質問では、すべて解約したほうがいいだろうかということですが、加入時期や保険商品の内容によっては、解約しないほうがメリットがあるものもあります。そこで、保険の見直しをし、残しておいてたほうがよいもの、解約したほうがよいものなど、整理をしてはどうでしょうか。また、個人名義の商品と、会社名義の商品に整理して、できるだけ似たような商品は1本化するなどすると、月々の負担も軽減することができます。会社のとって必要だと思って保険に加入して、かえって経費負担の増加につながるならば、見直しをすることも必要です。
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【Q5】役員等への退職金を支払うにあたって、かなりまとまった原資が必要だと思います。経営が苦しいなかで、どのような方法をとるべきでしょうか。
【A】役員等への退職金は、長年の会社に対する功労などを考慮して支払われるものです。会社内でも、報酬は大きいことから、退職金なども金額は大きくなることは当然といえます。会社によって退職金の金額をどうするかについては、会社規定に従って支払うことになると思いますが、一般的には、「最終報酬月額×役員在職期間×功績倍率」といった算式で計算されます。功績倍率というのは、社長や専務といった役位の違いによって会社における功績の度合いを倍率で表したものです。社長は3.0、専務は2.5、平の取締役は2・0といったように、役位によって倍率が異なります。たとえば、最終報酬月額が150万円、在職期間が15年の社長の退職金は、150万円×15年×3.0=6750万円となります。中小企業にとっては大きな金額となるわけで、これを現金で支払うとなると大変です。そこで活用するのが、保険商品です。退職時に保険を解約し、その保険料を退職金に充当するのです。退職金は適正であれば損金算入が認められていますので、会社の負担はかなり軽減できるはずです。ただし、保険期間や解約時の解約割合など、きちんと調べたうえで保険を活用するようにしてください。